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SDR用アップコンバーターの問題点

SDR用アップコンバーターの感度がイマイチなので問題点を考察する

特に中波の受信状態があまりにも悪いので中波用のアンテナを用意

ループアンテナを作る程でもないのでバーアンテナとバリコン(ポリバリ)をaitendoで購入しようとしたが(他店も含めて)送料が高価なので断念

結局,Amazonで「DIY のポータブル AM FM ラジオキット 76-108MHZ 525-1605KHZ」を購入してパーツを流用することに・・・ラジオキットは箱入りでやってきた

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面白そうなラジオキットであるが完成することはないだろう

(キットの感想としてだが,中華の小中学生向けあたりの教育用だと思われ,これを教材にするとなると中華の基礎技術力は侮れない)

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パーツの中からバーアンテナとポリバリを流用して中波用アンテナを作る

コイルのみだと57μHで,これをフェライトバーに通し660μHに調整して固定する

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ポリバリの最小最大は8pFから147pF

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計算では,510,963 - 2,190,298 Hz (511kHz - 2190kHz)の範囲で同調できる

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早速受信してみたが自宅では不可だったので,ローケーションの問題ではないと考えるが,送信アンテナ(中継局)の近くまで行って受信してみる

南海放送中継局(1116kHz)

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NHK中継局(531kHz,1035kHz)

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※)昔は個別の送信所だったが,現在は周波数を統一するため中継局になっている

ガンガン受信できるものと思っていたら裏切られ,ノイズの中に僅かに聞こえる程度だった

現状の受信状況
超短波(VHF)
  • アップコンバーターを使用していない時のFM受信は問題ない(メリット5)
  • アップコンバーター使用時でLPF無しでの試行でも(ー40MHz)のFMが十分な感度で受信できていた
  • そしてNOAAを問題なく受信できていたのでVHFの感度は問題ないと思われる
  • いちおうFM放送の送信元は強力(FMの送信アンテナは直線で見える最高のロケーションにある)なのとNOAAは専用アンテナが設置されているという条件はある
短波(HF)
  • 受信はできているが感度は良好とはいえない(メリット2~3)
中波(MF)
  • 受信できないと考える(メリット1)

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問題点の考察
  • アンテナが弱い

利得は無いがSDRにはマグネティックループアンテナが雑音が少なくなるので良いらしい(△)

RFアンプを検証してみる予定(〇)

  • 回路の不備

LPFは現状は問題なしと考えている

HPFは出力で使っていないが問題はないだろう

オシレーターのSA612A入力電力が適切でない可能性がある(大きくても小さくても駄目なようだ)(〇)

チューナーの感度が40MHzあたりでは悪いようなのでアップ周波数を100MHzへ変更

  • ノイズ対策

基板(特に発振部)にシールドを施す(△)

アースが効果的な場合がある(〇)

ガルバニックアイソレーターを通すと効果ありのようだ(〇)

DBM部もUSB電源を使用しているのが問題(◎)

(◎)早速確認してみよう(〇)調査して調整が必要(△)後回し,ってところか

SDR用アップコンバーターの作製

安価なUSBワンセグチューナーでSDRを楽しめるが下が30MHz~なのでHFを受信することができない

Q-Inputで受信しようとしたがRTL-SDRの類似品を購入してしまい失敗・・・正規品でも感度は良くないとのことなので簡易アップコンバーターを作製することにした

回路図

40MHzのオシレーターとミキサー(DBM)SA612Aを使って40MHzのアップコンバーター(クリスタルコンバーター)となる

入力で30MHzカットのLPFを通過させる

ブロック図.png

クリスタルコンバータ_回路図.png

LPFをLTspice XVIIで確認(設計はこちらを利用)

LPF_シミュレーション.png

試作

主部品は秋月通販で調達

(1)ミキサー部

SA612Aは表面実装版しかなかったのでSOP8変換基板を使用

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オシレーターの出力波形

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SA612Aの出力波形

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(2)LPF部

コイルは0.55㎜のエナメル(ポリウレタン)線で直径8㎜にて300nHを6回巻き,400nHを8回巻きし自作Lメーターで測定して確認

崩れないように8㎜の塩ビパイプに巻き両端は穴を通して固定

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NanoVNAで確認

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LTspice XVIIとは逆に見えるが(NanoVNAでは同調が低になるので)合っているはず

(3)全体

ミキサーとLPFを統合させて実際にSDRで復調させてみて低感度だが動作した感じ

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基板化

ユニバーサル基板

発振部があるのでシールドを考慮すべきだけど,基板の外側にGNDを置くようにしてシールドを追加できるように配置してみたのみに留まる

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ラインには太い(0.9mm)銅線を使った

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電源考察

試行確認のためもあったのだが基板には電源入力としてマイクロUSB端子を付けた

しかし,後で電源をチューナーのUSBと兼用にすれば良いかと考え,またチューナーも(2個同じような物があることで)同時に組み込むことを前提に消費電力を調査することに

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アップコンバーターは,ほとんど電力を消費しない

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DVB-T+DAB-FMでは210mA

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RTL.SDRだと230mA程度だった

どちらのチューナーを利用してもUSBからの供給で問題ない

ケース

アルミケースが理想的だが直ぐに準備できないので3Dプリンタで作る

チューナーはRTL.SDRを使用することにして当初の配置は結線を短くするため以下のつもりだった

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しかし何故かチューナーからSMAコネクタとUSBコネクタを外しケースの採寸をする際逆に配置してしまい

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印刷したので,以下の様になった

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この状態で試してみたところ,特に混信もなかったので蓋をして完成

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入力はFコネクタで出力のUSBケーブルは直付けにした

動作試験

アップコンバーターとしては機能しており感度は良くないがラジオNIKKEIを46055MHzで受信できた

また正しく機能しているかどうかを(丁度制作していた)クロップ発振を使って確認してみたところ正常であるようだ

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室内にて外部アンテナ接続時の受信状況では,近距離の中波2局(NHK,南海放送)は,アンテナが良くないのか受信できず

短波は(出力がでかいのか)中華の放送は満足に受信できるがその他は厳しい

同様な環境でDSPラジオでも受信状態が良くないのでロケーションが悪いのかもしれない

今回懐かしくも短波放送を聴いてみたが,BCL全盛の46,7年前とは比べようがないくらいラジオ放送が寂しくなった気がした

桜の剪定(2022)

  • 2022/01/02 14:27
  • カテゴリー:園芸

恒例となりつつある桜の剪定

今年度はもっと早く11月中には行おうと思っていたのだが脚の問題や休日なしの事態,突然の寒冷のため実行する日ができなかったため結局去年と同じ時期になってしまった

染井吉野

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大分と枝分かれが多くなってきたが,も少し広がりがあった方が綺麗に観えると思う

満足できる花はまだまだ先かな

しだれ桜

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上への伸びが足りないのが残念なところ

植えた場所の問題があるのだろう

Lメーターを作る(続き)

Lメーター作製の続き,しばらく休日が無かったので空き時間をコツコツ使ってようやく完成

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当初,完成型の「Arduino Pro Mini」を使おうかと考えていたが,サイズ(幅)が広く開けていたスペースでは配置が上手くいかなかったので「ATMega328P」にした
表示もコンパクトサイズのOLEDを採用

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裏の半田面の接続を最適化すると予定していたOLEDが上下逆なった(ユニバーサル基板実装では良くあるw)

ハードウェア

(発振部)

前回まで作製し試行確認していたコンパレーターで構成したフランクリン発振

リファレンスコンデンサーは精度の良い物が望ましいが,多少の誤差は問題なさそうなので5%の積層セラミックを使用

L-Meter_Osc.png

(周波数計測部)

AVRを使用した周波数カウンター

L-Meter_Freq.png

  • S1は発振部と連動
  • リセットは実装していない
ソフトウェア

UNOでテスト中,sprintf()が浮動小数点を実装していないので確認やデバックで嵌った

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スケッチ)(tab4,LF,SJISにしている)

Uncompatinoでスケッチを書き込んで完了

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操作手順

①電源投入後,両端子を接続して(順不同で)2つのキャリブレーションを行う

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②ボタンを押して基本周波数を得る

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③SWを切替,ボタンを押してリファレンスコンデンサを接続した周波数を得る

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④計測可能となる

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キャリブレーションは順不同で何度行っても構わない(最後に得た値が使用される)

動作検証

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(左)手巻きの5μH(右)手巻きの1.1μH

公称(μH) 自作 DM6243 LC100-A クラップ発振 フランクリン発振
1000(製品) 923.0 960 802.9
680(製品) 518.0 549 442.6
470(製品) 381.9 410 320.2
220(製品) 196.0 214 157.8
100(製品) 90.0 103 68.37 92.49
47(製品) 41.4 52 27.76 42.05
10(製品) 9.2 15 4.362 9.23
5(手巻) 4.6 10 2.018 5 4.78
1.1(手巻) 1.1 6 0.437 1.5 1.26
0.4①(手巻) 0.376 × 0.095 0.78 0.455
0.4②(手巻) 0.369 × 0.143 0.81 0.464
0.3(手巻) 0.256 × 0.093 0.69 0.385
  • クラップ発振とフランクリン発振は周波数カウンタ(PLJ-8LED-C)で計測して算出
  • ×は仕様上計測不可,-は未計測
評価
  • かなり良い結果となり満足(最初から作製すれば良かった)
  • 裏側がむき出しで手が触れると異常となるのでカバーが必要
追記

(2021.12.21追加)

ケースを3Dプリンタで作製(C基板汎用で使える裏蓋とした)

IMG_20211221_210444.jpg

基板をセット,ぴったし入ったのでネジ止めは不要(改良の余地はありそう・・・)

IMG_20211221_210743.jpg

表カバーは当面なしだが,透明板が良さそうだ

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